「このランニングシューズ、まだ履けるかな?」
「シューズの替え時って、いつなんだろう…」
ランナーの皆さん。シューズの寿命って知っていますか?
箱根駅伝出場経験のある私が、今回は多くのランナーが見過ごしがちな「ランニングシューズの寿命」について、その重要性と見極め方を徹底解説します。
シューズは単なる道具ではなく、あなたの足を守り、パフォーマンスを左右する大切なパートナーです。
この記事を読めば、シューズの寿命に関する疑問が解消され、より安全で快適なランニングライフを送るための知識を身に付けることができます!
この記事で分かること!
- ランニングシューズの寿命がなぜ重要なのか
- シューズが出す「寿命のサイン」とは?
- 具体的な買い替え時期の目安
- シューズを長持ちさせるための秘訣
シューズ寿命は走行距離だけで判断はNG!

一般的な寿命の目安
走行距離
一般的に400km~700km程度と言われています。ただし、ランナーの体重、走り方(フォアフット、ヒールストライクなど)、練習する路面(アスファルト、土など)によって大きく変動します。
使用期間
毎日走る方であれば数ヶ月、週に数回程度の方であれば1年~1年半程度が目安になることもありますが、これも走行距離や保管状況によります。
ランニングシューズには明確な「寿命」が存在します。
一般的に走行距離で語られることが多いですが、それだけで判断するのは危険です。
シューズのクッション性や安定性が失われた状態で走り続けることは、怪我のリスクを高め、パフォーマンスの低下にも繋がります。
大切なのは、走行距離や使用期間といった数字だけでなく、シューズ自体の状態や、履いた時の感覚といった「サイン」を総合的に見極めることです。

私の大学時代は最低でも月間700kmは走っており、多いときは900㎞近く走っていました。なので、1~2ヶ月で1足程度履きつぶしていましたね(笑)
大学時代の練習記事はこちら


必ず確認したい!シューズのチェックポイント7選
- アウトソールの摩耗
靴底を見て、特定の部分だけが極端にすり減っていたり、溝がほとんどなくなっていたりしませんか?特に、かかとや母指球の部分は摩耗しやすいポイントです。アウトソールのグリップ力が低下すると、滑りやすくなり危険です。 - ミッドソールのシワやヘタリ
シューズの側面からミッドソールを見てください。深い横ジワがたくさん入っていたり、指で押したときに以前のような弾力がなく、簡単に潰れてしまったりする場合は、クッション性が著しく低下している証拠です。 - アッパーの破れや型崩れ
シューズの甲を覆うアッパー部分に穴が開いていたり、生地が伸びてヨレヨレになっていたりしませんか?アッパーが損傷すると、足をしっかりとホールドできなくなり、安定性が損なわれます。 - かかと部分(ヒールカウンター)の緩み
かかとを包み込むヒールカウンターが柔らかくなったり、型崩れしたりしていると、着地時の安定性が低下し、かかとがシューズ内でグラグラしてしまいます。 - 履き心地の変化(クッション性)
「最近、なんだか地面が硬く感じる」「着地時の衝撃が以前よりダイレクトに伝わってくる」といった感覚はありませんか?これはクッション性が低下している典型的なサインです。 - 履き心地の変化(安定性)
「シューズの中で足がズレる感じがする」「以前よりグラつく気がする」といった場合は、アッパーのへたりやアウトソールの摩耗により、シューズの安定性が損なわれている可能性があります。 - 原因不明の足や膝の痛み
練習内容や強度を変えていないのに、足の特定の部分や膝に痛みが出始めた場合、それはシューズの機能低下が原因かもしれません。
シューズ寿命の重要性 怪我への影響


なぜランニングシューズの寿命をそこまで意識する必要があるのでしょうか?
それは、シューズがランニングにおいて非常に重要な役割を担っているからです。
衝撃吸収性の低下による怪我リスク増大
ランニング中、足には体重の約3倍もの衝撃がかかると言われています。
シューズのミッドソール(靴底の中間層)は、この衝撃を吸収する最も重要な部分です。
しかし、EVAなどの素材は繰り返し衝撃を受けることで徐々に劣化し、潰れて硬化していきます。
衝撃吸収性が低下したシューズで走り続けると、その衝撃がダイレクトに足首、膝、腰へと伝わり、シンスプリント、足底筋膜炎、膝痛といったランニング障害を引き起こす大きな原因となります。



特にロード(コンクリート)だと足への衝撃が強いので、気をつけてください。
安定性・サポート性の低下によるフォームの乱れ
アッパー(シューズの甲の部分)のへたりや、アウトソール(靴底の地面に接する部分)の偏った摩耗は、シューズ全体の安定性や足を適切にサポートする能力を低下させます。
これにより、着地が不安定になったり、足がシューズ内で不必要に動いたりしてしまい、効率の悪いランニングフォームになったり、最悪の場合、捻挫などの怪我に繋がることもあります。



サポートがないと力が分散してしまい、力んだフォームになるので、フォームが崩れていきます。
反発性の低下によるパフォーマンスダウン
近年の高機能シューズには、反発性を高めて推進力をアシストする機能が搭載されているものも多いです。
しかし、ミッドソールの劣化とともにこの反発性も失われていきます。
以前よりも「進みにくい」「地面からの反発を感じにくい」と感じるようになったら、それはシューズの寿命が近づいているサインかもしれません。



私自身、箱根駅伝を目指していた現役時代、シューズのコンディションには細心の注意を払っていました。
練習量が多いためシューズの消耗も激しく、少しでも違和感を覚えたり、クッション性の低下を感じたりした場合は、怪我を未然に防ぐため、そして常に最高のパフォーマンスを発揮するために、早めに新しいシューズに交換していました。
古いシューズを使い続けて調子を落としたり、怪我をしてしまった仲間も見てきました。
シューズの寿命管理は、競技レベルを問わず、全てのランナーにとって非常に重要だと断言できます。
【秘訣】ランニングシューズを長持ちさせる3つの簡単お手入れ術


大切なランニングシューズを少しでも長く、良い状態で使い続けるためには、日々のお手入れが重要です。ここでは、誰でも簡単にできる3つのコツをご紹介します。
使用後は風通しの良い日陰で乾燥させる
汗や雨で濡れたシューズは、雑菌が繁殖しやすく、素材の劣化も早めます。
使用後はシューレースを緩め、インソールを取り出して、風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させましょう。
直射日光やドライヤー、乾燥機の熱はシューズの素材を傷める原因になるため避けてください。
泥汚れなどは早めに落とす
泥や土が付着したまま放置すると、汚れが固着して落としにくくなるだけでなく、通気性を妨げたり、素材を傷めたりする原因になります。
ブラシや濡らした布で優しく汚れを落とし、その後乾燥させましょう。洗濯機での丸洗いは、型崩れや接着剤の剥がれを引き起こす可能性があるため、基本的には推奨されません。
高温多湿な場所での保管を避ける
シューズの素材は、高温多湿な環境に長時間置かれると劣化が進みやすくなります。
特に車のトランクの中や、直射日光が当たる窓際などは避け、風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。
長期間使用しない場合は、型崩れを防ぐためにシューキーパーを入れるのも効果的です。
これらの小さな心がけが、大切なパートナーであるランニングシューズを少しでも長く、良い状態で保つことに繋がります。
シューズを複数履き分けるメリット
実は、ランニングシューズは1足を毎日履き続けるよりも、2~3足をローテーションして履く方が、結果的にそれぞれのシューズが長持ちする傾向にあります。
これは、一度使用したミッドソールが、次に使用するまでに十分に復元する時間を与えられるためです。
また、練習内容(ジョグ、スピード練習、LSDなど)や目的に合わせてシューズを使い分けることで、それぞれのシューズの特性を活かし、消耗を分散させることも可能です。



私の現役時代は練習内容ごとに2足でローテーションし、ジョグシューズは3足でローテーションを組んでいました。
まとめ:シューズの声に耳を傾け、最適なタイミングで感謝の引退を!


ランニングシューズの寿命を見極めることは、安全で楽しいランニングライフを継続するために非常に重要です。
走行距離や期間はあくまで目安の一つと考え、今回ご紹介した「シューズからのSOSサイン」を見逃さないようにしましょう。
そして、少しでも「あれ?」と感じたら、それはシューズが「もう限界」と伝えているのかもしれません。
愛着のあるシューズを手放すのは寂しいかもしれませんが、感謝の気持ちを込めて引退させてあげることが、次のステップへ進むためには不可欠です。新しいシューズは、また新たな走る喜びと目標達成のサポートをしてくれるはずです。
皆さんのランニングライフが、素晴らしいシューズとの出会いによって、より豊かで実りあるものになることを心から願っています!